tamtakoブログ

徒然なるままに~うたのおばさんブログ

賢治さんの足跡を訪ねて 1日目 9/5

9月5日朝、名古屋を発って新幹線を乗り継ぎ盛岡にお昼少し前に到着。レンタカーで出発する前に、賢治さんが中学、高校と青春時代を過ごした盛岡の市内を歩いた。

賢治さんの生前唯一の童話集「注文の多い料理店」を発刊し、社名も賢治さんによって名付けられたという「光原社」へ。

光原社にて

今は出版の仕事はされておらず、民芸品などを扱っている。レトロな雰囲気の中庭があり、可否館もあって落ち着く。賢治さん自筆の原稿も展示され、まるっこい文字が「らしいな」と嬉しくなった。そして道端には定番の銅像が。あの啄木の詩碑と共に、賢治さんの詩碑や盛岡高校辺りを眺め、次の目的地へ。

小岩井農場までは車で15分ほど。道もゆったりしていて走りやすいのだが、行き交う車も前を走る車もみな同様にゆっくりのんびりとした運転で、名古屋走りの得意な私は、「遅い~!」と呟いていた。いやいや、郷に入っては郷に従わなければ、と深呼吸。焦らなくても、もうじき岩手山も眺められる、はず。と気持ちを切り替え進んだ。

駐車場に到着。空を見上げると生憎の曇り空。山の方角を眺めれば、雲行きも怪しい。あ~ぁ、岩手山は何処! 実を言えば、何年か前にもここを訪れたことがある。しかしその時も岩手山にはお目にかかれなかった。当時は雨。今日は曇り時々霧雨。雨かあ。残念至極。

小岩井農場

とはいえ、小岩井農場では、剽悍な四本ではないけれど桜並木が続き、当時のままの建物が今も使われており、賢治さんの背中が見える気がした。曇り空のおかげか詩の情景も想像でき、黒いオーヴァーコートの人はここを曲がった?とか、馬車は?などと楽しんだ。そしたら、牛舎の何頭もの牛たちが揃って「う゛もぉ~~♫」と鳴いた。そのハミングのような汽笛のような節回しに笑った。狼森、七ツ森など童話に出てくる場所がここにある。なんと素敵だ!道をぐるぐる回っていたい気分。しかし今日はここまで。 

宿は花巻温泉郷にとった。源泉掛け流しのお湯につかりながら歌った。

「すきとほるものが一列わたくしのあとからくる ひかり かすれ またうたうように 小さな胸を張り またほのぼのと かがやいてわらふ  みんなすあしの こどもらだ・・・」(小岩井農場パート四より)