今までと違う景色を見たい・・藤井聡太棋士（五冠）

10月末日の「谷辺昌央ギターリサイタル」に武満徹の歌４曲を演奏することになっている。昨日久しぶりに合わせたが、「こんなはずでは」という惨めな自分に正直驚愕した。この歳だもの、とか　ギターはピアノより厳しい、とか言い訳している自分を戒め叱咤激励するのだが、惨めさは消えない。

今朝の新聞で見かけた藤井聡太氏の言葉。「今までと違う景色を見たい」

読んでハッと思った。私は、これまでのなんとか歌えた状態を取り戻そう、護ろうとしているではないか、と。でも所詮、護ることも以前の自分の声に戻ることも出来はしない。ならば、これまでの私、ではなく、今までと違う景色を見ようともっともがきあがいてみるべきではないのかと。この言葉の発せられた状況は、もちろん私とは正反対である。この下り坂を歩いている者でも、今までと違う景色を見ようと思えば、沈んでいた気持ちが少しは上を向く気がした。この気持ち、一瞬か？結果は「惨め」で終わるかも知れないけど、でもがんばろ。まずやってみよう。　と思った朝のひとときだった。

今までと違う景色が見えるようになる、と信じて。（令和四年九月二十九日朝）